２０２３年を迎えて。

　原子力工学会の皆様におかれましては、日ごろから原子力工学会の活動にご協力を賜り、ありがとうございます。

　さて、昨年岸田首相はエネルギー供給の安定化の方向性、原子力政策について方針を示しました。


　ＣＯ２の排出削減、石油などの化石燃料の高騰が背景にあり、昨今の社会のデジタル化、電気自動車の普及、水素エンジンの開発の方針を掲げる中、原子力発電について従来のスタンスを見直したことは報道で皆様ご存知のことと思います。
 
　原子力発電所の再稼働、稼働期間の見直し、次世代革新炉の開発について方針が示され、今後、具体的な動きが見られることが期待できます。
 
　しかし、原子力発電所の現状は、東電福島第一原子力発電所の事故以来、ＰＷＲを採用している関西電力、九州電力、四国電力は原子力発電所の運転を再開しているものの、ＢＷＲについては未だ運転が再開できておらず、ＢＷＲの再稼働を期待するところであります。
 
　また原子力に携わる熟練者はもとより、技術者全般が減少しているのが現状です。
 
　学生についても同様に原子力を学ぼうとしている学生は減少傾向にあり、原子力政策の見直しを宣言しても簡単には進まないことが予想されます。
 
　原子力に携わる方々にとっては、非常に悩ましい時期が続いています。
 
　大学では、昨年、組織の改編が実施され、原子力の学科の募集が無くなり、我々原子力工学会は原子力工学科の残る学生に対する支援と共に、今後の支援の方針、方法を検討する必要に迫られ、今年は具体的な対応策をまとめる年になります。
 
　新型コロナの感染も終息が見られず、対面での会合を控える中、コミュニケーションの不足も感じていますが、先ずはＨＰを活用することで同窓会の活性化を図りたいと考えています。
 
　会員皆様におかれましては、是非ＨＰのお問い合わせアドレスtk-if@tokai-atomic.net
から、ＨＰの記事またイベントについてご意見、ご感想をお送りください。
 
　今年も良い年になりますように、皆様のますますのご健勝をお祈り申し上げます。
そして、今後とも原子力工学会への参加、ご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。