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2019年建学祭・特別講演:
〜高レベル放射性廃棄物の地層処分について〜

 
 11月3日、原子力発電環境整備機構 技術部・技術開発統合グループ 加来謙一様をお招きして、『高レベル放射性廃棄物の地層処分について』と題した特別講演を開催致しました。
 当日の講演会の模様をレポートします。

 

講演者:加来 謙一様(原子力発電環境整備機構 技術部・技術開発統合グループ)

 

開催日時)2019年11月3日 140015:30 | 講演スライド)LinkIcon講演資料PDF 

 

講演要旨)
スライド資料(配布資料)及び一部は動画を用いて下記項目の説明が行われた。
 

①高レベル放射性廃棄物とは
②高レベル廃棄物の発生量
③高レベル廃棄物の処分方法
④地層処分場
⑤地層処分の安全性
⑥地層処分の進め方
⑦国民への理解
⑧海外の状況

 

講演後の質疑応答)

1.学生より

①環境評価を行う際の河川の流量はどの程度なのか?
⇒保守的に設定している。

 

②土地の確保はどのように行うのか?
⇒大都市であれば深地下は地下鉄等の例がある様に地権者の権利が及ばないが、地方では地権者との交渉が必要になる。地下処分場と同じ広さの地表面の地権が必要になります。

 

③ガラス固化体からの有用物の取り出しは考量しているのか?
⇒現時点は考慮していない。ガラス固化体は結晶構造内に金属を取り込むため、取り出しは難しい。

 

④学校での授業は何学年が対象なのか?
⇒小学校は5年生と6年生、中学校は3年生が対象で1コマ乃至2コマの授業。理科での授業が主だが社会科で扱いたいという要望もある。島根大付属中学では総合学習として8コマ用意して頂き、松江市で廃棄物処分場を受け入れるとしたらというテーマで、最初に社会科で話し合い、理科で新たに知識を得た上で、社会科で再度意見交換することを行った。

 

⑤スウェーデン・フィンランドで地層処分場が進んでいる理由は何か?
⇒社会的受容性の問題。フィンランドは長い時間をかけて取り組んでおり、国民の国に対する信頼が高い。また、国の下はすぐに地元なので、日本の様に地元はOKだが自治体がダメという事はない。また、原発の近くに処分場を造るため地元の意向が働きやすく地元の信頼が高い。事故を起こしていないことも要因の一つ。

 

2.OBより

①処分対象の地層はどの様な種類か?
⇒日本ではマグマが冷えた岩盤が対象で海外では粘土質や岩塩層もある。日本の場合は一番が花崗岩で、次に堆積岩となるが優劣は付けられてなく総合的に判断する。

 

②科学的特性マップの作成は文献調査に基づくが実際にはどの様な調査が必要か?
⇒研究はしっかり行い受入れてもらえるように最大の努力を行う。安全性の理解が必要だが、安全と安心は別で、安心は心の問題。
⇒より詳細にはNUMOのホームページを参照願います。
 

 

写真レポート) 

講演タイトル
 
ジオミライ号1
 
ジオミライ号2
 
ジオミライ号3
 
ジオミライ号4
 
加来様と司会の若杉先生
 
ご講演の加来様
 
学生からの質問
 
OBからの質問
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※掲載した写真は、 Googleフォトでもご覧いただけます。