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2025年を迎えて

  
 

原子力工学会
会長 千葉栄幸

 年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。
 
 会員の皆様におかれましては、日ごろから同窓会の活動にご協力を賜り、ありがとうございます。
 
 さて、IT産業の普及に伴う電力需要の増加が確実になる中、気候変動対策の一つとなる温室効果ガスの削減の取り組みをしながら電力の安定供給を実現しなければならない時代になっています。
 
 政府の新しい計画案では、2040年度の時点で発電量全体に占める各電源の割合について再生可能エネルギーが「4割から5割程度」、火力が「3割から4割程度」、原子力が「2割程度」とし、再生可能エネルギーが最大の電源になると位置づけています。
また原子力については、これまで盛り込まれてきた「依存度を低減する」という文言は明記されず、再生可能エネルギーとともに最大限、活用していく方針が示されています。
 
 原子力発電の現状を見ると、PWR型の原子力発電所が営業運転を始めている一方で、昨年は東京電力福島第一発電所と同タイプのBWR型のプラントである東北電力女川原子力発電所2号機が11月に、中国電力島根原子力発電所2号機が12月に発電を再開しました。
 
 発電所の立ち上げからいろいろな経験を積んだ技術者が定年を迎え退職となり、技術の伝承の観点から見ると技術の積み上げなおしになっているのが現状と考えられます。
 
 エネルギーの安定確保のため、これからも徐々に運転を再開する原子力発電所がでてきますが、福島第一原子力発電所の事故以来、技術者の人口は減少し、不足してきている現状があります。
 
 このような中、即戦力を期待される原子力を希望する学生も少なくなり、我が東海大学の原子力工学科は現在在籍している4年生が学科生として最後の卒業生になります。
 
 本会は昨年9月に学生への支援として福島第一原子力発電所の見学会を行い、また今年3月には成績優秀者への表彰、記念品の授与を行う予定にしています。
 
 原子力工学科生がいなくなってからの、学生との関わり、学生への支援をどのように行っていくか、本会の先生方と検討することが急務になっています。
 
 本会は今年も昨年同様、総会、講演会、懇親会を催したいと考えています。
 
 会員の皆様からは日ごろからいろいろなご意見をいただき、大変感謝しております。
 
 これからも、本会の運営、学生の支援について、引き続きご意見を賜りたく、お願い申し上げます。
 
 いただきましたご意見については役員会で丁寧に検討して行く所存でございます。
 
 今後とも、ご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 
 皆様の健康とご多幸を祈念して挨拶に代えさせていただきます。
 

2025年1月